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『親が亡くなったけれど、何から手をつければいいのか分からない』。そんな時に開いてほしいサイトです。

結論から言うと、相続でまず押さえるのは「誰が相続人か」「相続税がかかりそうか」「期限のある手続きはどれか」の3つです。この3つが分かると、次にやることが自然と見えてきます。

相続の手引きは、国税庁・法務省・裁判所などの公開情報をもとに、編集部が整理している解説サイトです。公的機関や特定の事務所の公式サイトではありません。

相続の手引きはどんなサイト?最初に読む記事の早見表

先に結論

相続の手続きは、亡くなった直後の届出、相続人と財産の確認、遺産の分け方の話し合い、相続税の申告、不動産の名義変更、という順番で進みます。自分がいまどの段階にいるかで、読む記事が変わります。

身内が亡くなると、葬儀の準備と並行して役所の手続きが一気に押し寄せてきますよね。

ただ、すべてを同じ日に片付ける必要はありません。期限の短いものから順番に進めれば大丈夫なんです。

いまの状況最初に読む記事分かること
亡くなった直後親が亡くなったらすること一覧死亡届・年金・保険などの届出と期限
相続人が誰か分からない法定相続人とは相続人の順位と範囲
相続税がかかるか知りたい相続税の基礎控除非課税になる遺産額の目安
借金が多そう相続放棄とは放棄の効果と3か月の期限
家や土地を相続した相続登記の義務化名義変更の期限と過料
誰に相談すればいいか迷う相続の相談先税理士・司法書士・弁護士の違い

全体像を先に知りたい方は、相続とはと相続税とはの2本から読んでみてください。

亡くなった直後にやること|期限の短い手続きから

『葬儀が終わったら考えよう』と思いがちですが、実は葬儀の前後に期限が来る手続きもあります。

主な届出の期限は次のとおりです。

手続き期限窓口
死亡届死亡を知った日から7日以内市区町村役場
年金の受給停止厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内年金事務所など
健康保険・介護保険の資格喪失14日以内(国保・後期高齢者医療)市区町村役場
世帯主変更届14日以内(残った世帯員が1人なら不要)市区町村役場
葬祭費・埋葬料の請求2年以内加入していた健康保険

未支給年金は、5年の時効までに遺族が請求できます。受け取った遺族の一時所得として所得税の対象になる点は覚えておきましょう。

届出が落ち着いたら、相続全体の期限を確認しておきます。くわしくは相続の手続きの期限一覧にまとめています。

相続人は誰?順位と法定相続分の見方

『兄弟も相続人になるの?』『前妻の子は?』と、相続人の範囲で迷う方も多いはずです。

配偶者は常に相続人になります。そのほかの家族は、次の順位で相続人になります。

順位相続人配偶者がいる場合の法定相続分
第1順位子(亡くなっていれば孫)配偶者1/2・子1/2
第2順位直系尊属(父母・祖父母)配偶者2/3・直系尊属1/3
第3順位兄弟姉妹(亡くなっていれば甥姪)配偶者3/4・兄弟姉妹1/4

同じ順位の人が複数いれば、その割合を均等に分けます。認知された子や養子も、実子と同じ相続分です。

一方で、内縁の配偶者は相続人になりません。ここは誤解の多いところです。

例えば、夫が亡くなり妻と子2人が相続するケースなら、妻が1/2、子がそれぞれ1/4ずつです。

順位のくわしい考え方は法定相続人とは、割合の計算は法定相続分とはで解説しています。

相続税はいくらからかかる?基礎控除と計算の流れ

ここがいちばん気になるところですよね。『うちは相続税がかかるのか』です。

相続税には基礎控除があり、遺産がこの金額以下なら相続税はかからず、申告もいりません。

基礎控除の計算式

3,000万円+600万円×法定相続人の数。相続放棄した人も人数に数えます。

法定相続人の人数別に相続税の基礎控除額を並べた早見図
法定相続人の数基礎控除額
1人3,600万円
2人4,200万円
3人4,800万円
4人5,400万円
5人6,000万円

国税庁の「令和5年分 相続税の申告事績の概要」によると、亡くなった人のうち相続税の課税対象になったのは9.9%でした。

つまり、多くの家庭では相続税はかかりません。ただ、自宅の土地と預金を合わせると基礎控除を超える、というケースは珍しくないんです。

基礎控除を超えた場合の計算例

例えば、妻と子2人が相続し、遺産の課税価格の合計が5,700万円だったとします。

  1. 基礎控除は3,000万円+600万円×3人=4,800万円
  2. 超えた部分は5,700万円−4,800万円=900万円
  3. 法定相続分で分けると、妻450万円・子225万円ずつ
  4. それぞれに税率10%をかけて、45万円+22.5万円+22.5万円=90万円

この90万円が相続税の総額です。実際に誰がいくら払うかは、実際に受け取った割合で分けて決まります。

さらに、配偶者が受け取った分には「配偶者の税額軽減」が使えます。1億6,000万円か法定相続分相当額の多いほうまでは、配偶者に相続税がかかりません。

計算の手順は相続税の計算方法、遺産額別の目安は相続税の早見表で確認できます。『いくらから』を知りたい方は相続税はいくらからかかる?もどうぞ。

相続税を減らせる控除と特例

『払うしかないのかな』と思う前に、使える控除と特例を確認しておきましょう。

制度内容申告の要否
配偶者の税額軽減1億6,000万円か法定相続分相当額の多いほうまで非課税税額0でも申告が必要
小規模宅地等の特例自宅の土地は330㎡まで評価額を80%減額申告が必要
生命保険金の非課税枠500万円×法定相続人の数相続人が受け取った分のみ
死亡退職金の非課税枠500万円×法定相続人の数相続人が受け取った分のみ
未成年者控除(18歳−相続時の年齢)×10万円該当者のみ

特に大きいのが、自宅の土地に使える小規模宅地等の特例です。80%減額になると、土地の評価額が大きく下がります。

ただし、同居していた親族か、配偶者か、持ち家のない別居の親族かなど、使える人に要件があります。要件を満たすかどうかは、税理士に確認しておくと安心です。

くわしくは小規模宅地等の特例とはと相続税の配偶者控除で解説しています。

相続税の申告と納税の期限

相続税がかかる場合、申告と納付の期限は「相続の開始を知った日の翌日から10か月以内」です。

10か月と聞くと長く感じますよね。実は、財産の洗い出しや遺産分割の話し合いをしていると、あっという間に過ぎてしまいます。

死亡日から相続放棄・準確定申告・相続税申告までの期限を時系列で並べた図解
相続の主な期限の流れ
  1. 死亡から7日以内に死亡届を出す
  2. 3か月以内に、相続放棄や限定承認をするか決める
  3. 4か月以内に、亡くなった人の所得税の準確定申告をする
  4. 10か月以内に、相続税の申告と納付をする
  5. 不動産を取得したと知ってから3年以内に相続登記をする

申告書の提出先は、亡くなった人の住所地の税務署です。期限内に遺産分割がまとまらない時は、法定相続分で仮に申告し、「申告期限後3年以内の分割見込書」を出しておきます。

期限を過ぎると延滞税や加算税がかかることがあります。くわしくは相続税の申告期限と相続税申告のやり方をご覧ください。

土地がある、相続人が多い、期限まで時間がない、という場合は、早めに相続税に強い税理士へ相談すると手続きが楽になります。無料で税理士を紹介してもらえるサービスもあります。

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土地や自宅がある、相続人が多いといった場合は、相続税の申告に慣れた税理士に早めに相談すると、手続きがぐっと楽になります。

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相続放棄と遺産の分け方

『借金のほうが多そう』という場合は、相続放棄を考えることになります。

相続放棄は、自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ申述します。費用は申述人1人につき収入印紙800円と郵便切手、戸籍謄本などの取得費です。

放棄すると、初めから相続人でなかったことになります。そのぶん次の順位の人が相続人になるので、親族に一言伝えておきましょう。

気をつけたいこと

亡くなった人の財産を処分したり使ったりすると、相続を認めた(単純承認した)とみなされ、放棄できなくなることがあります。

放棄しない場合は、相続人全員で遺産の分け方を話し合います。遺産分割協議は全員の合意が必要で、まとまらなければ家庭裁判所の調停、審判へと進みます。

遺産分割そのものに法律上の期限はありません。ただ、相続開始から10年を過ぎると、特別受益や寄与分を主張できなくなる点には注意が必要です。

くわしくは相続放棄の期限、遺産分割とは、遺産分割協議書の書き方で解説しています。

家・土地を相続したら|評価と相続登記

『実家の土地はいくらで計算されるの?』という疑問もよく聞きます。

相続税の計算では、市街地の土地は路線価、それ以外は固定資産税評価額に倍率をかけて評価します。路線価は毎年7月1日に国税庁が公表しています。

財産相続税での評価の基本
市街地の土地路線価方式
それ以外の土地倍率方式(固定資産税評価額×倍率)
建物固定資産税評価額
上場株式相続開始日の終値と、その月・前月・前々月の終値平均のうち最も低い価格
預貯金相続開始日の残高(定期預金は既経過利息を加算)

不動産を相続したら、名義変更(相続登記)も忘れずに。2024年4月1日から相続登記は義務になり、取得を知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料の対象になります。

施行日より前の相続も対象です。2027年3月31日か、知った日から3年以内の遅いほうが期限になります。

評価の方法は不動産の相続税評価額の調べ方、名義変更の手順は相続登記とはにまとめています。

生前贈与と相続対策|生きているうちにできること

『親が元気なうちに、何か準備しておけないかな』と考える方もいますよね。

生前贈与は、受け取る人ごとに年110万円までなら贈与税がかかりません。ただし、2024年1月1日以降の贈与からは、相続開始前7年以内の贈与が相続財産に足し戻されるルールに変わりました。

加算期間は2027年1月以降の相続から段階的に伸び、2031年1月以降の相続で7年になります。

制度ポイント
暦年課税年110万円までは贈与税がかからない
相続時精算課税累計2,500万円まで特別控除。年110万円の基礎控除もある
贈与税の配偶者控除婚姻20年以上の夫婦で居住用不動産なら最高2,000万円控除
遺言書自筆証書遺言は法務局で保管でき、保管分は検認不要

どの方法が向いているかは、財産の内容と家族構成で変わります。相続税がかかりそうな家庭ほど、早めに試算しておく価値があります。

くわしくは生前贈与加算の7年ルール、贈与税とは、遺言書の書き方で解説しています。

相談先の選び方|税理士・司法書士・弁護士の違い

『結局、誰に頼めばいいの?』という方も多いはずです。相続では、内容によって頼む専門家が変わります。

相談したいこと専門家
相続税の計算・申告税理士(相続税申告は税理士の独占業務)
不動産の名義変更(相続登記)司法書士
遺産分割でもめている・調停弁護士
戸籍の収集・遺産分割協議書の作成行政書士

相続税の申告を税理士に頼む場合、報酬は自由化されていて公的な基準はありません。遺産総額の0.5〜1%程度が目安と言われることが多いです。

税理士を選ぶ時は、相続税申告の実績、書面添付制度への対応、見積もりの分かりやすさ、土地評価の経験、話しやすさを見ておきましょう。

ちなみに、国税庁の「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」では、相続税の実地調査9,512件のうち82.3%で申告漏れなどが見つかっています。土地や名義預金がからむ場合は、申告の段階から専門家に入ってもらうと安心です。

税理士に相談する前に準備しておくもの
  • 亡くなった人の戸籍謄本と相続人の戸籍
  • 預金通帳や残高証明書
  • 土地・建物の固定資産税の納税通知書
  • 生命保険の証書や支払通知
  • 借入金やローンの資料

くわしくは相続に強い税理士の選び方、相続税の税理士費用、相続の無料相談をご覧ください。お住まいの地域の窓口は都道府県別 相続の相談先一覧にまとめています。

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制度の最新情報は、次の公的機関のページで確認できます。

よくある質問

相続税は誰でもかかるのですか?

いいえ。遺産が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の基礎控除以下なら、相続税はかからず申告もいりません。国税庁の令和5年分の集計では、課税対象になったのは亡くなった人の9.9%でした。

相続税の申告期限はいつまでですか?

相続の開始があったことを知った日(通常は亡くなった日)の翌日から10か月以内です。納付も同じ期限です。

相続放棄はいつまでにすればいいですか?

自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ申述します。期間の伸長を申し立てることもできます。

相続税がかからなくても申告が必要な場合はありますか?

あります。配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使って税額が0円になる場合は、申告しないと特例が使えません。

相続の相談は誰にすればいいですか?

相続税の申告は税理士、相続登記は司法書士、遺産分割でもめている時は弁護士が担当です。市区町村の無料相談や税理士会の相談窓口もあります。

まとめ

この記事の要点
  • 相続は、届出、相続人と財産の確認、遺産分割、相続税の申告、相続登記の順に進む
  • 相続税の基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数
  • 相続放棄は3か月以内、相続税の申告は10か月以内、相続登記は3年以内
  • 配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例は、申告して初めて使える
  • 相続税の申告は税理士、登記は司法書士、もめ事は弁護士に相談する
相続の手引き

相続の手引き 編集部

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